岩泉自動車運輸 日本三代鍾乳洞のひとつ龍泉洞前から三陸鉄道岩泉小本駅へ 路線バスから見た車窓
意外な程に高低差がある龍泉洞内の見学道を歩き、高所恐怖症の私はかなりビビって冷や汗をかきながら外へ。寒さも心地よさになってくるから不思議です。ここから三陸鉄道の岩泉小本駅を目指して路線バスの旅。時計の針は12時半を回ったところです。
そろそろ…と思ったところへバスがやって来ました。車内は学校から帰り、ジャージ姿の学生さんが多く利用されていました。観光客は私だけのようです。
龍泉洞温泉ホテルの前を通り、岩泉中学校へ。この辺りに見えたのは仮設住宅。昨年の台風17号がもたらした水害被害の傷跡を、このあとずっと目にすることに。バスが走る国道455号は小本街道と呼ばれ、小本川がずっと寄り添うように流れています。今はそれほど水量もないのですが、水位上昇でこの道を乗り越えて、反対側まで濁流が押し寄せたようです。また、橋の欄干に漂流物が引っかかったまま取り残されており、その水位が想像できました。
道の駅いわいずみは復旧作業真っ最中。多くの犠牲者が出た介護老人保険施設・ふれんどりー岩泉のそばを通った際、車内からではありますが、そっと手を合わせました。このエリアには寝台特急の車両を活用した宿泊施設や東北楽天ゴールデンイーグルスの球場もあります。
車内でうつむいたままスマートフォンを操作したり、ヘッドホンで音楽を聴いている学生さんたち…この光景を見たくない気持ちが感じられました。旅人は、ただそこにある姿を言葉もなく、時に呆然としながら、岩泉小本駅まで見つめていました。
この路線は、生活路線であるけれども、観光路線としても利用することができます。今そこにある姿を皆さんも是非。