上山市 旧尾形家住宅

山形県上山市生居にある「旧尾形家住宅」は、代々庄屋を務めた尾形家の住宅。建築年代は17世紀頃と言われ、昭和44年に国の重要文化財に指定されました。今回はかみのやま温泉駅からレンタサイクルで訪問。ご当主のユーモアを交えたご当地言葉の説明を聞き、江戸時代にタイムスリップしたような気分に浸りながら見学しました。

かみのやま温泉観光案内所でレンタサイクル

かみのやま温泉駅前にある「かみのやま温泉観光案内所」さんでレンタサイクルを申込して利用しました。

かみのやま温泉観光案内所

申込の際には、運転免許証やパスポート等本人確認ができる書類を提示、申込書と利用規約に必要事項を記入します。料金を支払った後、自分の携帯電話番号の確認と観光案内所の電話番号の登録を行います。最後に自転車とカギ、ヘルメットを受け取り出発しました。

かみのやま温泉観光案内所 レンタサイクル 

自転車は電動シティバイクが4台、電動クロスバイクが2台用意されています。レンタル料金(1日/1台あたり)は、電動シティバイクが1,000円、電動クロスバイクが3,000円。貸出時間は午前9時30分から午後4時まで、貸出期間は4月から11月末までとなっています。その他詳細は、事前に観光案内所で確認して下さい。

観光案内所からレンタサイクルで旧尾形家住宅まで

かみのやま温泉観光案内所を出発して、県道169号線で須川を渡った後、国道13号線へ入ります。宮脇交差点から東北中央道の高架下をくぐり抜けて県道263号線へ。しばらく走ると、旧尾形家住宅の道しるべとなる看板が見えてきます。その案内に従って県道264号線を走ると、間もなく左手に旧尾形家住宅が見えてきました。所要時間はここまで30分ほど。

旧尾形家住宅を見学

門に備え付けられたインターフォンを押すと、「今からそちらへ向かいますので、暫くお待ちください。」と声がかかります。程なくして、ご老人がやって来て閂を外して扉を開けてくれました。これから敷地内の案内をしていただけるそうで、後をついて行くことに。

旧尾形家住宅

色づいた紅葉を眺めつつ、建物入口のひとつ「おどの口」から中へ。まず名簿に記帳して、観覧券(220円)を購入。パンフレットをいただきました。

「改めて。ようこそお越しいただきました。このようなお若い方においでいただき、大変うれしく思います。」と、挨拶からご老人の案内が始まります。

旧尾形家住宅の土間

通常厩はひとつだそうで、ここにはふたつの厩があり、2頭の馬を飼っていたとのこと。庄屋だった尾形家の財力を想像することができます。近くには、珍しい「馬のわらじ」が展示されていました。

また、隣には馬のわらじや千歯扱きなど農具が並び、ここで農作業が行われていたそうです。

漆や栗、槻の木などが用いられた柱は、地中に埋め込まれず、「石場建」と言って礎石の上に建てられています。この石場建が耐震性に優れているそうです。

旧尾形家住宅の座敷

約40畳の広間は地面にもみ殻や藁を敷き詰め、その上に筵(むしろ)が被せられています。歩くとふわふわと柔らかく、寝転がると気持ちよさそうだなと思いました。このもみ殻や藁は春と秋の年に二回交換されているそうです。

栗の木を使った釿削りの大黒柱、雪が積もっても開くことができるように、内開きの格子窓が設けられています。

旧尾形家の下座敷・中座敷・上座敷

広間の隣には一段(40cm)高くなった納戸、中間が並び、とおりから奥へ進むと、下座敷、中座敷、そして床の間や欄間がある上座敷が続きます。

中座敷には、映画「小川の辺」撮影で旧尾形家住宅が使用された際の様子を伝えるパネルが展示されていました。

上山藩諸役人が視察の際に過ごした上座敷そばにある控えの間の戸を開けると、樹齢300年の「下生居のいちい」を見ることができました。

旧尾形家住宅の見学を終えて

見学を終えて、ご老人としばし雑談を。屋根の葺き替えに幾等くらいかかるのか、夏は涼しくて過ごしやすそうだけど冬はかなり寒かったでしょうね…といった話をしていてました。その際、ご老人がおもむろに「私で七十三代目になりますかな…」と。

旧尾形家住宅

物腰柔らかで、時にユーモアを交えて語られる様子から、私はてっきりボランティアで案内をされている郷土史ファンの方だと思っていたのですが、ご老人は尾形家のご当主であることが判明。現在は敷地に隣接する別のご自宅にお住まいだそうです。(いただいたパンフレットには、現在の当主は七十二代目・宗一氏とあり。ご老人の言い間違いだったようです。)

旧尾形家住宅の基本情報

住所:山形県上山市下生居170
開館時間 午前9時から午後4時45分まで
休館日 月曜日・年末年始

旧尾形家住宅までのアクセス

旧尾形家住宅までの交通機関は、高松葉山温泉から「かみのやま温泉駅前」を経由して生居まで向かう、山交バスさんの路線バス。高松葉山温泉発生居行きが4本(8:17、12:35、15:35、17:05)、生居発高松葉山温泉行が3本(8:45、13:00、16:00)あります。なお、かみのやま温泉駅前から生居までの大人運賃は片道310円です。(2020年11月現在)

山交バス 宮生公民館前

旧尾形家住宅最寄りのバス停は、宮生公民館前。ここから5分ほど歩きます。

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