たまねこトラベル

常磐線 いわき駅から原ノ町駅へ乗車記 2018年4月 復興へ向けて歩む町 取り残された町を救う鉄路

今回は常磐線を北上して、未乗車区間だったいわき駅から富岡駅、更に代行バスを利用して浪江駅まで、更に原ノ町駅へを目指します。

常磐線 いわき駅から富岡駅へ

いわき駅の常磐線が発着するホーム。列車の入線を待っていると、やって来たのは、元スーパーひたちで活躍した。普通乗車券だけで利用できるなんて、かなりお得!俄然テンションが上がりました。

車内へ入ると、シートは、向かい合わせのボックス席のような状態にセット。ふわふわのリクライニングシートにゆったり腰かけます。

いわき駅を出発した列車は、自動車教習所のそばを通って草野駅へ。続く四ツ倉駅は、駅前にドラックストアがあります。やがて遠くに松林が見え、久ノ浜駅近くで海岸線に近づきました。ここからトンネルが連続するように。木造駅舎のある末続駅、周辺に新しい住宅地が並ぶ広野駅、ホームから海を望む木戸駅、と停車して竜田駅へ。

ここから終着駅・富岡駅までの区間は、2017年10月21日に復旧。運転再開しました。

富岡駅には、真新しいホーム・駅舎に、さくらステーションKINONEが併設。売店とイートインコーナーがあります。この駅名を聞いてピーンときたあなたは、かなりの鉄道ファンかも?そう、台湾鉄路・西部幹線の富岡駅(桃園市楊梅区)と同名駅なのです。

日本の富岡駅は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の影響で不通が続いていたのですが、昨年10月に富岡駅から竜田駅の区間で運転を再開。鉄路で東京や日本全国各地へ結ばれました。

今日は入社式を終えたばかりと思しき、スーツ姿の若者たちと下車。これからこの街で新人研修が有るのかな…と思いながら、後ろ姿を見送りました。

ここから代行バスで浪江駅を目指します。

常磐線 富岡駅から浪江駅へ

駅前に停車中のJR常磐線代行バスに乗車して、浪江駅を目指します。今回はワンマンではなく、普段からそうかもしれませんが、乗務員さん2人乗務でした。(バス車両は許可を得て撮影)

出発前に、車内撮影はマナーとモラル守ってというお願いと、これから「帰還困難区域」を通過するので、くれぐれも窓を開けないように…とアナウンスされ、身が引き締まりました。

富岡駅周辺は、真新しい住宅やホテルが並びます。やがて、バスは富岡町から大熊町、浪江町へ。途中、通るほとんどの民家の前には、鉄のバリケードが置かれ、立ち居入りを制限。ところどころで、警備されている方が通行する車をチェックされています。トラックや作業される方々を乗せた車は絶えず通りますが、それ以外は皆無…。やがて、大きな市街地が広げる浪江町へ入ると、更に顕著で、人がいない街並みがずっと続き、言葉を失いました。

ただ、道路沿いに、真新しい架線や敷き詰められたバラストが見え、不通区間が復興へ向けて歩み続けている様子を、目に焼き付けることができました。いつかこの町へ電車が帰って来た時、今通ってきた町々に人々の暮らしと賑わいが戻ってくることを願って…やがてバスは駅前ロータリーへ入り、浪江駅へ到着。

浪江町で街歩き

今日の目的地・浪江町役場そばの商店が集まる一画で営業されている「なみえ焼きそば」のお店…今は町内で唯一では…と言われているそうですが…訪ねると、早めの店じまい。仕方なく、向かいのお店で佃煮等お土産と、仮設店舗で営業されているローソンでアイスクリームを購入。

お店の人に伺ったオススメスポット・請戸川沿いの桜並木の下でいただきました。

震災以前は、屋台が出ることもあったそうですが、今日は貸切状態…

災害が起こる度に胸が痛みます。悲しみを忘れようとすることは、人が生きていく上で大切なことだと思っています。ですが、その中で、大事なことは、発生後に長く続く、忘れてはいけない現実があること…。それをサポートできる日本人一人一人が、ここ身近な日本国内で、今、取り残されている災害を忘れないこと…。

常磐線 浪江駅から原ノ町駅へ

浪江駅から普通電車で原ノ町駅へ向かいます。

途中小高駅で下車して、双葉食堂さんで「中華そば」をいただきました。

福島県南相馬市 双葉食堂 透き通った鶏ガラスープの中華そば 地元で愛される老舗の一杯

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