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港区立郷土歴史館 企画展「港区浮世絵さんぽ」浮世絵で楽しむ鉄道!高輪築堤や新橋停車場など

今回は東京都港区白金台にある「港区立郷土歴史館」で開催されている、企画展「港区浮世絵さんぽ」を見学しました。

企画展 港区浮世絵さんぽ

2021年7月31日から9月12日まで開催されている「企画展 港区浮世絵さんぽ」は、江戸時代以降に描かれた郷土歴史館に所蔵されている浮世絵の鑑賞を通して、区内の名所を巡る企画展。鑑賞後、実際にその場所へ行って現在の風景と比較できるよう「展示リスト・マップ」を会場で配布されています。

鉄道ファンの視点で浮世絵を鑑賞

今回、私が注目したのは「浮世絵に描かれた高輪築堤や蒸気機関車・新橋停車場」など。鉄道ファンの視点で鑑賞した作品の一部をご紹介します。

東京各大区之内 品川沖蒸気船鉄道遠望

遠浅の品川沖で、脚立に座って青鱚(アオギス)釣っている人々、その後ろを航行する蒸気船、海岸線を走る蒸気機関車等が描かれています。明治六(1931)年に作成された歌川国輝(二代)の作品。

東京品川海辺蒸気車鉄道之真景

高輪築堤を走る蒸気機関車と東京湾を航行する船、街道を行き交う人々や人力車、馬車などを描いた、歌川広重(三代)の「東京品川海辺蒸気車鉄道之真景」。明治五(1872)~明治六(1873)年頃に制作された作品です。

東京高縄品川口蒸気車往来之図

品川停車場周辺を描いた、歌川豊国(四代)の「東京高縄品川口蒸気車往来之図」。この作品で目を惹くのが、明治五(1872)年10月14日の開通に先駆けて、仮営業で運転されている蒸気機関車と腕木式信号機です。さらに行き交う人々の服装やヘアースタイルも気になります。髷(まげ)を結って羽織袴を身に付けた男性、日本髪を結い和服姿に和傘を持った女性、辮髪(べんぱつ)に独特なデザインの帽子を被った、恐らく中華圏の男性、洋服を着てツバの付いた帽子を被り、洋傘を持った男性など。明治初期の品川周辺の賑わいがよく伝わってきました。明治五(1872)年制作。

東京名所 芝浦鹿嶋神社景

歌川広重(三代)が明治九(1876)年頃に制作。芝浦加島神社そばの高輪築堤を走る蒸気機関車と客車が描かれています。

東京汐留鉄道舘蒸気車待合之図

新橋停車場の待合室の様子を描いた歌川広重(三代)の作品。左上には運賃や時刻表が書かれています。車両は上等、中等、下等と分かれ、新橋停車場を午前8時、9時、10時、11時、午後2時、3時、4時、5時、6時に出発していたようです。「東京高縄品川口蒸気車往来之図」同様、人々の服装なども注目です。明治六(1873)年制作。

港区立郷土歴史館からの帰り道

上記の作品以外にも企画展「港区浮世絵さんぽ」では、歌川広重(三代)の「古今東京名所 高なわ海岸の鉄道」「東京写真八景 新はしのステンション」など鉄道が描かれている浮世絵が展示されています。

また、港区立郷土歴史館のホームページ内にある「デジタルミユージアム」で浮世絵を観ることもできます。おうちでも鑑賞しませんか。

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