静岡県藤枝市は、東海道の宿場町として古くから栄えた街。一説には、宿場町が藤の枝のように、全長約2キロメートルにわたる細長い様子が名前の由来になっているのだそうです。また、全国高校サッカー選手権やJリーグで活躍する選手を数多く輩出するサッカーの街としても知られています。そんな藤枝市に、戦前より朝からラーメンを食べる習慣があると知り訪ねてみました。
明治22年4月開業、現在は橋上駅舎になっているJR藤枝駅に降り立つと、あいにくの土砂降り。ちょっと躊躇しつつ、まずは駅隣接の藤枝市観光案内所さんでお店の情報収集します。駅から近いところだと、徒歩で7-8分の藤枝郵便局前に3店連なっているとのこと。いただいた「藤枝朝ラーMAP」を手に出発します。降る雨に足元をとられながら、なんとかたどり着いたのが午前11時半過ぎ 。見ると、どのお店も明かりは付いているものの、暖簾をしまっていました。MAPに「麺がなくなり次第終了」と注意書きがあったので、そういうことか…
せっかく来たので、どうしても食べたくて再度チェック。もう少し先にお店があることを見つけて向かうことに。降り止まない雨は、靴やズボンを濡らしてかなり歩きにくくなってきたのですが、ラーメンの為ならえーんやこらっさっさ、と妙な歌を頭の中で歌いながら歩くこと12-3分。駐車場にズラッと並ぶ民家のようなお店を発見。近づくと目指す「マルナカ」さんでした。
引き戸を開けると、目の前に3人お客さんが順番待ち。お店の人に言われるままに券売機で食券を購入して並びます。ただ回転は早く、程なく席に案内されました。中華そば並(500円)と冷やし並(600円)の食券を手渡すと、「先に温かい並、その後、おかわりに冷やしでよろしいですか?」と尋ねられる。そう、これが藤枝朝ラーメンの流儀らしいです。MAPの説明書きによると、お茶の産地・藤枝では、朝早く3,4時から茶葉の取引など仕事を始める人が多く、5,6時には仕事を終えていたそうです。その帰りにラーメンを食べる人が多くいました。当初は昼の時間帯からのオープンだったのですが、店先に早くから待つ人が増えるのを見かねて、だんだんと早くなり今では朝8時 半に開くようになりました。これが藤枝朝ラーメンの始まりで、ここ1919年創業のマルナカさんがその元祖だそうです。また、朝から食べても胃にもたれないことから、温と冷の2種類をセットで食べる現在のスタイルになりました。
さてまずは温かい並から↓
醤油ベースのあっさりスープに麺がよく絡み、ツルツルっと喉元を軽快に駆け抜けます。チャーシューを挟みながらさらり完食。
続いて冷やし↓
こちらは見た目は冷やし中華。まずスープをひとくち。酢は入っておらず、柔らかい甘さが心地よく口に広がります。この感じ好きだなぁ…締まった麺との相性もよくこちらもあっと言う間に完食!満腹感というよりは8-9割感といった具合におさまりました。
藤枝市内には、他にも10軒以上朝ラーメンを味わえるお店があります。ぜひラーメン好きの方に食べ歩きしていただきたいです。
【旅のメモ】
マルナカ
電話番号:054-646-1516
営業時間 8:30-13:00 ※日祝、第2・4土曜定休 他臨時休業あり
藤枝市観光案内所
電話番号:054-647-1144