今回は山形県酒田市にある本間美術館さんの清遠閣(せいえんかく)で開催されている、収蔵品展「偉人たちの書」を鑑賞しました。
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開催期間
収蔵品展「偉人達の書」は2024年1月13日(土)から2月19日(日)まで開催されています。
書を楽しむポイント
まずはサッと目を通します。理解できる文字からどこまで内容が分かりますか?続いて釈文を読んでみて、両者を見比べてます。くずし字が分かると、文字の形やサラサラと流れるような筆の運びが想像できるようになります。最後に解説を読んでみると時代背景が分かってきて、作者の心境がなんとなく見えてきませんか。
七言絶句「奉勅単航」
1階の床の間に飾られた掛け軸は、大久保利通筆・七言絶句「奉勅単航」
奉勅単航向北京/黒煙堆裏蹴波行/和成忽下通州水/閑臥篷窓夢自平/下通州作 甲東
「夢」の漢字が目を惹きます。
外に広がる庭園を眺めた後は2階へ。
徳川斉昭書状 酒井忠器宛
酒井家第十代当主・酒井忠器公は、三方領地替えの際の庄内藩八代藩主でした。解説ではこの書状は忠器隠居後に書かれたれたものとのこと。一方の徳川斉昭公は水戸藩の第九代藩主であり、徳川慶喜の実父。文字の大小や筆遣いの太い細いの中に文章の強弱のようなものを感じました。
清河八郎筆 回天封事
解説文によると、回天封事は文久2年(1862)4月に孝明天皇へ奉った尊皇攘夷の建白書とのこと。
これまで私が見てきた清河八郎の書に対する印象は「かなりの達筆で漢文。なかなか解読が難しい。」しかしこの回天封事は楷書で読みやすい。読みながら「謹按夷狄者禽獣々族非人類也。神聖則訴諸々四永尚不敢…」と書き写すことができました。このように書いたのは、相手が孝明天皇だったから(普段は達筆である(達筆に書くことは武士のステータス?)が、敢えてへりくだる為に楷書にした)かなと推測。
尊円親王筆 消息
伏見天皇の第六皇子・尊円親王筆の筆。阿闍梨二品(花押)親王:阿闍梨とは弟子たちの模範となる師匠・高僧のことで、二品(にほん)親王や内親王の階位のひとつ。
本間美術館の基本情報
本間美術館
住所:山形県酒田市御成町7-7
https://www.homma-museum.or.jp/