鶴岡市立藤沢周平記念館 目で味わい心で感じる「藤沢作品の世界」

快速きらきらうえつ号から下車して、鶴岡駅の改札口を出ました。外はあいにくの雨模様。歩いても行きない距離ではなさそうですが、駅前にある庄内交通のバス停で雨宿りも兼ねつつ…手土産を持って親戚を訪ねるらしいご夫婦、卒業旅行らしい学生さんグループ達としばらく待っていました。

やがてやって来たのは、世界一のクラゲの水族館「加茂水族館」や湯野浜温泉へ向かう路線バス。市役所前を経由することを確認し、整理券を取って車内へ入ります。赤い屋根をのせた山王日枝神社のそばを通り、アーケード街を抜けると、視界が開けて鶴岡市役所前で下車。すぐそばには庄内藩校致道館があります。

反対側へ横断歩道を渡り、赤い屋根を持つ洋館・大宝館のそばを通り抜けたところに、目指す「鶴岡市立藤沢周平記念館」があります。藤沢周平さんの作品は、お恥ずかしいながら「武士の一分」「たそがれ清兵衛」を映画で観た程度。この旅に出るに際して、没後二十年ということで企画された「雑誌サライ」の特集記事を目にしたり、エッセイ集「ふるさとへ廻る六部は」を読んで、私なりの世界観を膨らませてやって来ました。

 

鶴岡市立藤沢周平記念館

エントランスホールから続く受付で入館料(320円)を支払い、常設展示エリアへ。ここでは、藤沢周平さんの故郷である庄内・鶴岡…作品の中に描かれたワンシーンを文章と映像で再現。ずっと必死で読んでいくと、一気に時代を越えて、時には農村で、下町で、武家屋敷で…暮らす人々の様子、息づかいであったり、迷いや苦悩…といったものがひしひしと伝わってきます。また、中央には東京のご自宅にあった仕事場兼書斎を再現。ズラッと並ぶ資料・書籍に囲まれて、執筆活動をされていた様子を見ることができます。

続いて、全作品の初版単行本を展示されたエリアを見学した後は、藤沢作品の世界 藤沢周平没後二十年特別企画展へ。ここでは「蝉しぐれ」や「一茶」の自筆原稿や雑誌、映像化された作品のワンカットを題材にした絵など興味深いものばかり。いつかしか時間が過ぎてゆくのを忘れて、没頭しました。

帰りに藤沢周平さんの他の作品も読みたくなり、山王商店街にある阿部久書店さんへより、文庫本をまとめ買い。ホテルへ戻って早速読みふけりました。

【旅のメモ】
鶴岡市立藤沢周平記念館
住所:山形県鶴岡市馬場町4-6
電話番号:0235-29-1880
入館時間 9:00-16:30 ※水曜休館 年末年始(12/29-1/3)

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